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ノーロゴ・ノルウェー・チェス (10)

[2014.06.25]

ノーロゴ・ノルウェー・チェス・トーナメント参戦記

 公式サイトの英語版より一足早く(?)、日本語版の方でアニッシュ・ギリからのトーナメント・レポートをお届けできることになりました。

 「全体として僕は自分のプレー内容に満足してもいなければ、結果に満足してもいないのだが、最悪なときと比べればかなり運が良かったのだけは確かだった。」

アニッシュのスタヴァンゲルにおける大会レポート

 ビッグネームの間で

ノルウェー・チェス 2014 トーナメントに僕が出場するという知らせは、そんなに早く届いた訳ではないが、このハイクラスの大会に参加できることを心待ちにするための時間は十分にあった。

 この大会が今年これまで行われたどのトーナメントよりも最高のレベルだということはまちがいない。(少し順位が高過ぎだと思うが)世界14位のこの僕でさえ、最後から2番目の第9シードなのだから。この参加者リストにはかなりのビッグネームがそろっていた。カールセン、アロニアン、クラムニック、トパロフ、カルアーナ、カリャーキン、グリスチュック、スヴィドラー、そして地元のレジェンド、アジェステインだ。(カールセンのマネージャーであるエスペン・アジェステインと混同しないように)開催地は豊かな、しかし静かなスタヴァンゲル市街地にあった。そこはノルウェーの南西部に位置するヨーロッパの油田都市ととて知られている。

 いつもの通り、僕はホームページの読者を役に立たない観光情報でこれ以上退屈させようとは思っていないので、今回もこの辺ですぐにチェスの話題に入りたい。

 「カールセンに負けない男」

 最初のラウンドを始める前に僕たちはペアリングを決めるエキサイティングなブリッツ・トーナメントを行った。確かに手が震えていたけれど、出だしは好調に価値を稼ぐことができたので、後半は1位を追いかける状態になった。最後には5局白番+4局黒番のペアリングを獲得することはできそうだと思っていたが、3局を立て続けに負けてしまったおかげで6位になり、「本番の」大会で白番の多いラッキーなプレーヤーにぎりぎりで入ることができなかった。

 このくじびきによって、第1ラウンドは黒番でマグナス・カールセンと対戦することになった。それは、すでに最初の日から、偉大なカールセンに負けないプレーヤーとして生き残れるかが試されることを意味していた。そのゲームは、あるポイントではかなりヤバい感じになっていたが、幸運にも何とかドローにすることができた。そんな訳で僕の「カールセンに負けない男」というレッテルは守り通すことができた。


GAME Carlsen-Giri ½ (Coming soon...)


 世界チャンピオンに黒番でドローならまあまあの結果なのだろうが、実はかなり物足りなさを感じていた。それは次のゲームも同じだった。ぼんやりしたプレーで美しいトリックを見逃してしまった。


FRAGMENT Agdestein-Giri 1/2 (Coming soon...)


 幸運と不運!

 3ラウンドで僕はクラムニックに対してつまらない負け方をしてしまった。序盤は僕にとってとても悪かったが、元世界チャンピオンは僕にいろいろなチャンスを与えてくれた。それなのに僕はことごとくそれらをとがめられなかった。

 その後のばたついたカルアーナとのドローに続いて、僕はかなりラッキーな勝ち方でトパロフを破った。しかし、勝てたのは僕の相手がこの大会前半で絶不調だったということが理由ではあった。

 6ラウンドで、僕はアロニアンに対してうまく準備をすることができた。巧妙な手筋のおかげで彼はトラブルにおちいったが、最終的に得したポーンが僕に見かけ上のプラスをもたらしただけで、そのゲームを勝ち切る現実的な望みは全然なかった。

 カリャーキンに対して、白番の僕は、最後の何か現実的なチャンスを得ることができたので、それに向かって全力を傾ける気になっていた。幸運なことに、僕の頭の中にあったオープニングのアイディアが完璧にうまくはまり、余裕のあるプラスを得ることができたのだ。

 僕はそのゲームで何回も押したり引いたりしてみた。いろいろ枝分かれはあっても僕のポジションはよくなっていくばかりだった。最後にセルゲイ・カリャーキンは崩れない城壁を築いたかに見えたが、僕はすぐに正しいプランを見つけ出すことができた。しかし、持ち時間を節約する代わりに危険なブレーク・スルー(突破)を考えることに時間をつかってしまった僕は、結局それを試すことになったのだが、気づけば持ち時間はほとんどなく、気持ちの糸はぷつんと切れてしまい、完全に混乱状態になってしまった。


FRAGMENT Giri-Karjakin 0-1 (Coming soon...)


 残り2ラウンドでマイナス1(借金1)では優勝争いに加わることはない訳で、このゲーム後にレスト・デイがあることに大きな意味はなかった。

Getting Ready for the Next

 僕はグリスチュックに対してあやしげなベノニで生き残ることができたが、それはこの天才ロシア人プレーヤーが、普段からよくやるように思いっ切り持ち時間を使ってしまい、その赤字分を彼の早指しの才能で支払わなければならなくなったからに他ならない。

 最終ラウンドではピーター・スヴィドラーに対してゆったり指し過ぎてしまったため、手を繰り返してドローにするチャンスがあったときに、この2週間たっぷりチェスをやったのだから、もうそこまでにしてしまうことにした。

 全体として僕は自分のプレー内容に満足してもいなければ、結果に満足してもいないのだが、最悪なときと比べればかなり運が良かったのだけは確かだった。もちろん、ターニング・ポイントは痛恨の敗戦となった対カリャーキン戦だった。それは僕にとって重要な試合だったが、カリャーキンにとっても重要な試合だったはずだ。というのは、驚くべきことにその後のゲームを勝ち続けたのだから。優勝おめでとうと言いたい!

 幸運なことに次のトーナメントのために一息つく時間はある。この7月、僕はビール・トーナメントに参加することになっている。またエキサイティングなイベントになることだろう!


ノーロゴ・ノルウェー・チェス (9)

[2014.06.14]

<公式ライブ>

<チェス24のライブ>

<チェスベースの記事>

 

<これまでの棋譜の鑑賞(全局)>

8、9ラウンド ドローでマイナス1の成績

round7

7ラウンドのアニッシュ(左)とカリャーキン © 大会公式サイト

 アニッシュは8,9ラウンドをドローでマイナス1の成績としました。アジェスタインがカールセンに負けたので、 最下位ではありませんでしたが、満足いく成績ではなかったのが残念でした。最終局はお互いに消化試合で、早々とドローは仕方ないかもしれません。やはり、カリャーキンとのゲームのがっかり感を引きずっていることは、スヴィドラーとの対戦直後のインタビューに出ていました。

 優勝は最終局でカルアーナも撃破したカリャーキンでした。2位に世界チャンピオン、カールセン、3位がグリスチュック。カリャーキンは昨年度第1回大会に続いて2連覇だそうです。お見事でした。

カールセンにとって2位は何の価値もない

 一方のカールセンは彼のために地元で開かれた大会なのに、またも結果を出せず、非常に悔しかったことでしょう。カールセンにとって2位は何の価値もないはずですから。

あのとき優勢なゲームを勝ち切っていれば!

 振り返ってみて、やはり、というべきでしょうか。アニッシュとカリャーキンとの死闘、これがアニッシュ個人にも大会全体においても大きな転換点だったのは明らかです。アニッシュは当然、ドローではなく、勝ちに行き、優勝を意識して131手を戦いました。あのとき優勢なゲームを勝ち切っていれば・・・!

 ただ、世界トップのプレーヤーに対し、堂々と渡り合った大会になったと思います。カールセンとのドローや、トパロフへの勝ち、カリャーキンへのプレッシャーはファンを本当にわくわくさせてくれました。優勝の可能性さえあったということも、決してオーパーではありません。次の大会がさらに楽しみとなりました。

 ファンの皆様にはアニッシュへの応援、ありがとうございました!

crosstable

© 大会公式サイトより

 なお、棋譜は全局を このサイトから 盤なしで鑑賞できます。(解説はしばらくお待ち下さい)


ノーロゴ・ノルウェー・チェス (8)

[2014.06.11]

 

 

7ラウンド 勝てば1位、負けて最下位

 全部がドローの中、このラウンド一番の激闘がアニッシュ対カリャーキンでした。イングリッシュの混みいった形で両者が真正面から激突。押し気味のアニッシュはカリャーキンからエクスチェンジ・アップの優勢を奪いました。コンピューターの評価ほど差はないものの、それでも勝つならアニッシュという局面が長い間続き、カリャーキンの粘りに苦しむ展開。

 ところが…、突然でした。アニッシュはたった1手の悪手からリザイン。

position

 図5 131... Bc3 ! で白アニッシュはリザイン。メイトがさけられないのだ。  →棋譜鑑賞

 勝てば1位、負けて最下位のゲーム、勝っていたゲームを落としたこと、加えて131手の消耗戦。いろいろな意味で、非常に、非常に残念です。最悪でもドローだったのに…。

 しかし、考えてみれば、最下位でもおかしくない大会で、アニッシュはファンに大きな楽しみを与えてくれたことはまちがいない事実ではないでしょうか。こうなった以上、あと2局は思いっきり強豪との戦いを楽しんでほしいと思います。

 11日のレスト・デイを挟んで、明日は黒番でグリスチュック、最終戦は白番でスヴィドラーとです。


ノーロゴ・ノルウェー・チェス (7)

[2014.06.10]

 

 

6ラウンド 参加者全員が優勝候補の大混戦に

Anish

5ラウンド前に棋譜を書き始めるアニッシュ © 大会公式サイト

 このラウンドの大きな話題は大会1位を走っていたクラムニックが、ビリになったばかりのトパロフに敗れたことでしょう。二人はともに世界選手権を争った宿敵どうしでしたが、まさかという展開です。これで1位から最下位まで1点差。参加者全員が優勝候補の大混戦になりました。

 アニッシュは苦手のアロニアン相手に黒番で善戦し、ゲームをリードしましたが、アロニアンの正確なディフェンスは、アニッシュに勝つチャンスを与えませんでした。とはいえ、アニッシュが勝率50%であるのは変わらず、優勝さえ望める位置にいることは変わりません。トップとは 0.5 点差です。

 また、じわじわ話題になっているのは地元のシーメン・アジェステンが全部ドローをとって50%をキープしていることです。地元枠出場であり、全員が彼から勝利を取るべくねらってきているのですが、勝ちを提供しないどころか、あわやアジェステインがスーパー・スターから1勝かという場面が何回もありました。これはかなり予想外であり、世界中がカールセンの元コーチの実力を再認識していることでしょう。

 ちなみにアジェステインがなぜ「スーパー・アマチュア」と言われたかというと、彼はサッカーの選手としてプロ・チームに所属していたからだそうです!

 さあ、アニッシュの次の相手は白番でロシアのカリャーキンと。カリャーキンは世界最年少グランド・マスターであった天才ですが、アニッシュを苦手としています。期待しましょう!


ノーロゴ・ノルウェー・チェス (6)

[2014.06.09]

5ラウンド アニッシュが貴重な1勝!

He's back to 50% !!

 

 アニッシュが貴重な1勝を、元世界チャンピオンのトパロフからもぎ取りました!

 白番のアニッシュはトパロフが得意とするナイドルフという激しい変化での戦いを選択しました。ズバリ、勝負に出たということです。

cvsa

カールセン(左)対アロニアン(右) © Chessbase

 しかし、さすがにトパロフの指し回しが厳しく、黒番ながらアニッシュのキングに大きなプレッシャーを与えます。これは黒が決めに出るかという場面、しかし、何がどうしたのでしょう、トパロフは突然崩れだし、アニッシュの強力な反撃を許してしまいました。

 このゲームだけでなく、このラウンドはこの大会の大きな転換点となるドラマチックなものとなりました。トーナメント・リーダーのカルアーナは、クラムニックの攻撃を耐え切り、受けきってドローという瞬間に大ポカ。アニッシュとカルアーナから勝ちをうばったクラムニックにリーダー(暫定1位)を譲りました。

 注目のカールセン対アロニアンの世界1位対2位の大勝負は、アロニアンが完全に優勢となり、これは決まったかと思ったところから自滅。カールセンが勝ちをひろっています。世界中のチェス・ファンが一喜一憂したことでしょう。

「がっかりしたプレーヤーたちの中にはトパロフもいた。勝利が約束されたような局面でチャンスをみすみす逃してしまったのだから無理もない。彼は正当なシシリアン・ディフェンスで相手の度肝を抜いた。事実、ギリ・アニッシュは正しいプランを見いだせず、完全な受け身に立った。『もちろん、手慣れたポジションではなかったのですが、それは何の言い訳にもならないですよね。』とアニッシュ・ギリは答えている。」

「トパロフは、31.Re1 の後、定番のポーン・ブレーク、...d6-d5 でゲームを決めようとしていたはずだったが、彼の読みちがいから2手連続で悪手を指してしまい、突然負け形にしてしまった。」

position

 図4 黒番 41.Re1 この後、トパロフの手は41... Kh1?? だった。 →棋譜鑑賞

「トパロフ:『勝ったと思えた局面もありましたが、簡単な手をミスってしまいました。本当にまずい流れですし、非常にバカなミスでしたね。』ギリ:『セルゲイ・カリャーキンを見ならって全身全霊をかけてプレーしましたが、それなのに自爆でした。しかし、その後は非常にラッキーでした。(…)ただ、これで僕がクソ粘りのしたとかではなく、少なくとも僕が勝ったという記事にはなりましたよね。』」

「 」内はChess Vibes より

さあ、次はアロニアンに黒番です。


ノーロゴ・ノルウェー・チェス (5)

[2014.06.08]

 アニッシュが白番でクラムニックと対戦。

4ラウンド 

 このラウンドはトーナメント・リーダーのカルアーナに黒番で対戦します。カルアーナはアニッシュの先輩格であり、一昨年20歳を超えたので今はジュニアではありませんが、それまでジュニア・ランキング1位で、アニッシュが2位でした。年齢が近いこともあり、「当然、お互いに意識し合うライバルどうし」(アニッシュ談)です。

 これまでの対戦ではお互い勝ったり負けたりで、アニッシュに苦手意識はありません。良いゲームをしてほしいと思います。

ハード・ファイト 

 カルアーナ対アニッシュの結果はドローでしたが、期待されたとおりのハード・ファイトとなりました。 いくぶん押し気味だったのは白番でドラゴンの陣形を持ったカルアーナでしょうが、アニッシュも反撃してカルアーナにチャンスを与えませんでした。

 カールセンはドローだったので、トーナメント・リーダーは変わらずカルアーナ、そしてアニッシュは借金1生活です。この日はカリャーキンだけシーソーゲームをものにし、勝率5割にもどしました。

 次は苦手なトパロフに白番です。この大会ではアニッシュは点を取るターゲットになってもおかしくありません。前回のクラムニック同様、相手のトパロフも黒番ながら勝ちをねらってくるでしょう。しかし、アニッシュの勝つチャンスはそこにあるとも言えます。世界トップクラスから1勝はきついですが、それでもがんばってほしいものです。

 


ノーロゴ・ノルウェー・チェス (4)

[2014.06.06]

 アニッシュが白番でクラムニックと対戦。

 残念ですが、アニッシュは負けてしまいました! まあ、ここは1日レスト・デイが入るので気持ちを切り替えてがんばってほしいと思います。

 

3ラウンド 

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3ラウンド前に集中するアニッシュ © 大会公式サイト

position

 図3 黒番 41... ? アニッシュを追い込んだクラムニックの好手は?  →棋譜鑑賞

 ここまでコンピューターの局面評価はほぼ互角。しかし、アニッシュの方が正確な手を連続して要求されるポジションとなっていました。 (ここがコンピューター評価の限界です。)がんばっていたのですが、プレッシャーに耐え切れず、図3はアニッシュが 41.Rc3-c2? とミスをしたところです。

  次の 41... Qe6 ! がクラムニックの決め手でした。白の弱点、b3 と h3 の両方をにらみます。

 以下、42.Qe2 g6?! 43.Rc4 Bxh3 ! の決め手を見てアニッシュはリザインしました。あきらめるのが早いということはありません。たとえば 44.Rxe4 なら 44... Bxg2+ 45.Kxg2 Ng5 46.Rh4 Qc6+ など、 白陣は簡単に崩壊します。プロどうしには大差でしょう。

 このゲームを見ればアニッシュが弱いというより、クラムニックが強過ぎました。直前のブリッツではアニッシュの勝ちだったのですが・・・。

 

ノーロゴ・ノルウェー・チェス (3)

[2014.06.05]

1ラウンド 「守り切ったのは奇跡的」

 アニッシュはカールセンとドロー。カールセンにパスポーンを作られてうまい攻めを許しましたが、正確に守り切りました。 グリシュックがカルアーナに対して持ち時間切迫から自滅しましたが、それ以外はドローでした。

 以下、 その記事 と、カールセンvs.アニッシュ戦を解説したGMダニエル・キングのビデオ。

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カールセンの Ng5 に長考のアニッシュ © 大会公式サイト

 「エキサイティングなゲームであり、カールセンがエクスチェンジを切ったところでは明らかにアニッシュはロープ際まで追い詰められていた。カールセンが指すすべての手がアニッシュにプレッシャーをかけ、駒のコンビネーションと必殺パスポーンは確かにパワフルだった。」

 「しかしながら、そんな状況の中でアニッシュは『負けている訳ではないと自分に言い聞かせ』ながら、そのポジションを正確に守り続けた。カールセンのアニッシュつぶしは失敗に終わったのだ。」

(以上 GMアレサンドロ・ラミレスのチェスベース記事より引用)

position

 図1 黒番 27... ? アニッシュの受けの好手は?  →棋譜鑑賞

 

 

 1ラウンドのゲームを「守り切ったのは奇跡的」とアニッシュ自身も認めたようですが、とにかくラッキーな出だしになって良かったと思います。冷や汗のドローでした。

 2ラウンドは連続の黒番でアジェステインと対戦。相手の格を考えれば簡単なドローか、できれば勝つチャンスが欲しいものですがどうでしょうか。

 図1からアニッシュが指した手は、16... Re8 ! でした。 棋譜をご覧ください!

2ラウンド 無難にドロー

 ラスト・シードのアジェステインとのゲームは黒番で無難にドローでした。しかし、途中アニッシュが優勢になるコンビネーションがあり、ちょっとくやしい結果ではありました。(下の局面)

position

 図2 黒番 16... ? アニッシュが見逃したコンビネーションは?

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アジェステイン と アニッシュ(右) © 大会公式サイト

 アニッシュは2ドローですが、他のプレーヤーの状況もご紹介します。カルアーナが2勝して絶好調のスタート。カリャーキンを破ったアロニアンが1勝1ドローで追っています。

 次の3ラウンドがカールセン 対 カルアーナという絶好のカード。カールセンいわく「カルアーナを止めないとね。」アニッシュは初の白番でクラムニックと!

 図2からアニッシュが指した手は16... g5 でしたが、16... Rxh4! 17.Nxh4 Nfe4 として Nxf2 ねらいのコンビネーションがありました。 棋譜をご覧ください!

ノーロゴ・ノルウェー・チェス (2)

[2014.06.03]

ブリッツの前哨戦

アニッシュが善戦

 この大会は9ラウンドなので、プレーヤーのナンバーにより白番より黒番が多い者がいます。これをブリッツで決めようというのですから、面白い趣向です。

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新コーチのトゥクマコフと © Offial site

 会場には船で行ってだそうです。ラウンド・ロビン、総当りのブリッツでアニッシュ・ギリは大健闘でした。カールセンには惜しくも敗れましたが、カリャーキン、アジェステイン、クラムニックを倒し、さらにブリッツで世界一と言われるグリシュックにも勝ちました。その後はぱっとしませんでしたが、世界の名だたる強豪相手の4.5/9点で注目を集めました。

 アニッシュは黒番が多いナンバーをひいてしまいましたが、本大会に向けて上々のスタートを切れたのではないかと思います。

<ブリッツ全局をこのページで鑑賞できます!>

 ブリッツで圧倒的に1位だったのは世界チャンピオンのカールセンでした。これはもうさすが!

そして、今夜は1ラウンド、アニッシュ対カールセンが行われます。試合開始は毎日10時半から。

応援お願いします!

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ブリッツに臨むアニッシュ © Offial site

ノーロゴ・ノルウェー・チェス (1)

[2014.05.31]

大会前夜

参加者とオッズ

 以下の表が大会参加者とオッズです。オッズとは賭けの配分で、低い数字ほどみんなから勝つと思われているプレーヤーのこと。ヨーロッパで有名な「ユニベット」がこの大会に注目してその評価を発表したものです。

 見ると、新世界チャンピオンのカールセンが圧倒的に優勝候補だということがよく分かるでしょう。それほど今の彼は奇跡的な強さを誇っているといえます。([ ]内は現在の世界ランキング)

1. マグナス・カールセン (ノルウェー)[1位] 1,75
2. レヴォン・アロニアン (アルメニア)[2位] 6,00
3. ファビアーノ・カルアーナ (イタリア)[5位] 8,00
4. ウラジミール・クラムニック (ロシア)[6位] 12,50
5. アレクサンダー・グリシュック (ロシア)[3位] 15,00
6. セルゲイ・カリャーキン (ロシア)[9位] 15,00
7. ヴェセリン・トパロフ (ブルガリア)[8位] 18,00
8. ペーター・スヴィドラー (ロシア)[13位] 25,00
9. アニッシュ・ギリ (オランダ)[17位] 25,00
10. シーメン・アジェステイン (ノルウェー)[161位] 150,00

© 大会公式サイト

 

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大会会場のスタヴァンゲル市 © 大会公式サイト

 また、ジュニア世界1位のアニッシュ・ギリでさえ、10人中9位です。今年1月ヴァイカンゼーで準優勝しても現在世界トップクラスにまざればアニッシュもこの評価。でもそのくらいものすごい大会なのが、このノーロゴ・ノルウェーなのでしょう。何しろチェスの棋譜を検索したことがあれば誰でも目にするビッグネームばかりそろったからです。

 ヴァイカンゼー以降、久しぶりの表舞台となるアニッシュは、しかしながら、その下馬評をくつがえすだけのチカラはついてきています。最年少プレーヤーですし、相手が強ければ強いほどわくわくするというものです。ここは大いに期待しましょう 。

 ちなみに10位のアジェステインは昔の有名プレーヤーで、当時無敵のカスパロフでさえ「スーパー・アマチュア」と呼び、一目置いていました。彼はプロのサッカー選手だったからです。また、カールセンを育てたコーチでもあります。今回の出場は確かに地元枠なのですが、その貢献度で出る訳ではなく、地元で若手のマスターたちを破っての出場だそうです!

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 スタヴァンゲルの準備完了。ベストの状態。もうすぐチェス・ボードの前に座れる、それが待ち遠しいっ! [アニッシュ]

 

ノーロゴ・ノルウェー・チェスに参加することが決定

[2014.05.20]

大きな挑戦

 アニッシュがノルウェー・チェスに参加することが決定しました!

 この大会は、6月2日~13日にノルウェーで行われるチェス大会で、現在世界ランキング1位、2位、3位のカールセン、アロニアン、グリシュックはじめ世界トップ・プレーヤー10人による招待制トーナメント(総当り)です。参加者の平均レーティング2774、考えられる限り今現在世界最高峰の大会でしょう。

 天才少年アニッシュ・ギリにとっても、この大会への参加は大きな挑戦です。彼の力がどこまで通用するのか、今から楽しみですし、1月ヴァイカンゼーで準優勝した勢いをそのままに、優勝をねらってほしいと思います。応援をよろしくお願いします。< 大会公式サイト

 ヴァイカンゼーの棋譜解説が日本語に!

 さて、話かわりますが、アニッシュが書いたヴァイカンゼーの棋譜解説がすべて日本語になりました。どうぞご覧ください。

 ヴァイカンゼーのゲーム解説 (日本語)

 なお、関連の記事は こちら です。

 

アニッシュの棋譜解説を日本語で

[2014.05.16]

  ヴァイカンゼー大会 で堂々の準優勝だったアニッシュの自戦記を日本語でご覧いただけます。 初・中級者には少々難しいのですが、チェスのトップ・プロがどのように考えて試合をしているかがよく分かり、楽しんで読めると思います。内容は上級者でも大いに勉強になるでしょう。以下にそのサンプルを掲載します。

 ゲーム解説:ギリ - ナイディッチュ (日本語解説)

position

giri

© Official website

 上図は、ギリ対ナイディッチュ戦の一場面。今黒が 15...Qd5-a5+ と指したところです。白番で次の手、ぜひ考えてみてください。そして以下の解説を読んでみてください。

 以下の青色の部分がアニッシュ自身の解説であり、【 】は訳者の補足です。

上図から

16. Qd2 !!

 正直に言うと、この手は自分に酔ってしまうくらいに自慢の一手だった。

 この手が選択肢のひとつだと思っておよそ10分から15分の時間を使ったが、 一度考えてみると、きっちりそれで勝ちだということがはっきりしてきた。 キングをどこに動かしてもそれぞれにデメリットがあるのだが、 そうはせずに、クイーンを交換することがさらにパワーのある攻撃につながることに注目してほしい。

 【チェスでは攻撃している方は駒交換をさけ、受けに回っている方が駒交換をねらうのが普通だ。 アニッシュの手 16.Qd2!! はその常識を完全にくつがえす絶妙手だ。】

 これで白の勝ちですって??? 続きは、 ゲーム解説の本文 で!

 最後の局面からもうひとつ抜粋です。次の局面、黒が 30... e6-e5 と指した直後です。白番ですが、メイトを読み切って下さい。

position

 黒が選んだのは自分がメイトされる方の道だった。(30... e5 ではなく) 30... Rg8 がオンリー・ムーブ(絶対の一手)。 それでも負けは負けなのだが・・・。

 31. Rxg8 Rxg8 32. Rc5+ Kf4 33. Rxa5 このように黒は非常に活発なキングのおかげで、当面のトラブルはさけることができる。 だが、ピース1個の差は大きく、やはりピース1個の差なのだ。

31. Rg5+ Kf4

32. Kf2 Rf8

33. Rh7 1-0

 以上、アニッシュの解説でした。ゲームの最後の局面です。33手目の次はRh4# がふせげないので 黒がリザインしています。白のアニッシュは図から正解の31.Rg5+ として簡単にメイトまで持って行きました。しかし、実戦では決して簡単ではないでしょう。 もちろん図の局面からはどのマスターも瞬間に読み切れるレベルですけれども、図で相手がリザインしなかったのは、自分の負けを納得するためだったと思われます。

くわしくは、 ゲーム解説の本文 で!


 アニッシュの記事(以前のニュース)

アニッシュの記事

 これ以前のニュースは左メニューの「 アニッシュの記事 」をご覧ください。右画面、下リンクのクリックでも入れます。

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